サプライズは素直に受け取って。

悩んでいる暇のない僕は彼女のマンションへ車を走らせ、真野さんに今日の計画を相談した際に、来客用の駐車場の在りかを教えて貰っていたのでそこへ停める事にした。
仕事の早い真野さんはもちろん、駐車場の使用予約も入れてくれた頼もしいお義姉さんだ。

車を停め、何度目も四季ちゃんのスマホに着信をするが全く反応がないと思っていたら、電源を落とされた……。
ガードの固さはどんな時でも抜かりない。

車から降りて、彼女の自宅が明かりが付いてないか見上げて確認すると在宅を知らせるようにライトが付いている。　

(これじゃ、姉貴が言ってたようにストーカーだな…。)

思い付く行動をとにかくして、彼女に会わねばとマンションのエントランスをくぐり、オートロックに彼女の部屋番号を押して呼び出しボタンを押す。
ただ、部屋の番号を押すだけなのに…彼女がそこに居ると思うと緊張して指が震える。
どうか、出てくれと願いながら一つ一つ確実に押していく。
呼び出しボタンを押すときには心臓の音が煩くてこの静まり反ったエントランスに響き渡るかと思う程だった。