サプライズは素直に受け取って。

姉と湊介さんに席の相談をメッセージで四人掛けの席にしてとお願いをしてあったので、その通りに案内され四季ちゃんを逃がさないように隣り合わせに座った。

「えっとお・・・。」

「良いから、座って。
 他のお客さんに変に思われるよ?」

「・・・。」

予想通り。四季ちゃんは動揺し、"どうして隣り合わせなの?"と顔に書いてあるがお構い無しに席へ通す。
作戦成功して安堵していたら、姉がお冷やとおしぼりを持ってきてくれ、テーブルに置きながら突然、話しかけてくる。

!?
「四季ちゃん、こんにちは~」

余計な事は言わないでくれと念を送りながら姉の言葉を遮るように伝える。

「おい!
 勝手に四季ちゃんって呼ぶなよ!
 あと、余計な話もなしな。
 注文が決まったら呼ぶから。」

姉のこの態度で勘違いをして、帰ります。なんて言われたら…。
もう、逃がしたくない一心で念を送り、席をたちあがらない容認、然り気無く彼女の背もたれを掴みながら、声を掛ける。

「四季ちゃん?
 今日のおすすめはティラミスって言ってたけど、どうする?」

あれ?これは・・・。
きっと、というより、むしろそうだろうと確信した。

もう一度、彼女を呼びこちらの世界へ誘う。

「四季ちゃん!
 お昼食べたかも知れないけど、ここのデザート、結構旨いからドリンクだけはやめてくれる?
 お昼がまだだったら、サンドイッチとグラタンがおすすめだよ!」