悪いけど、追い駆けっこは得意なんだ。
どうやら彼女は追い駆けっこは得意では無いらしい。
喫茶店を出ると直ぐに走ることは止め、僕は簡単に君を見つける事ができた。
(何故、追いかけて来るだとうと思わないのかな?)
全く、振り向くことなく真っ直ぐ前を見て進んで行く彼女の背中が愛おしく思い近付きたいが…
ただ、先ほどの喫茶店での彼女の様子が気になる点がある為、その腕を掴む事を止めた。
彼女に見つからない様に後を着いていくと、駅に程近い大型商業施設に入って行った。
(もしかして、自分の誕生日プレゼントでも探しに行くのか?それとも、誰かへのクリスマスプレゼント?)
もし、前者なら僕がプレゼントをしたいが…
今の時点で話しかけて逃げられたりでもしたら最悪嫌われてしまう恐れがあるので、ここは彼女を見守ることに決めた。

