サプライズは素直に受け取って。

二人は二駅目で降りたので、僕らも後を追う。
真野さんもショックなのか何の抵抗も反論も無しに後を着いて来る。
20時を過ぎていた事もあり、どうやら四季ちゃんの家に送りに行ったようでマンション前で二人は別れた。

よし!今だ!
  
「ごめんね。
 ちょっと良いかな?」と躊躇うことなく話しかけた。

は?誰だよこいつ。という怪訝そうな目で見られる。

「真野 四季の姉だけど?
 まさか、私に黙って付き合ってるなんて言わないでね?」

次に言葉を発したのは意外な事にも真野さんの方だった。

「げっお姉さん!?」

若いなと思った。

「そう。
 四季の姉よ。
 申し訳ないけど、お付き合いをするのはやめて欲しいの。
 まだ学生だし、これから国家試験も控えてる大事な時なの。
 それに…四季には…彼のような安定した職に就いている人じゃないと姉として安心して任せられないわ。
 そうね…この人じゃないと私が認めないわ。」

この人とは僕の事らしく、指を指された。

「な!
 四季は何も言ってませんでしたけど?」