サプライズは素直に受け取って。

四季ちゃんの姉を協力者に迎えた僕は、後は会いに行くだけだと意気込んでいた。
しかし、真野さんはと言うとなかなかスケジュールを組んでくれないでいるので僕が焦り始めた頃。。

会いたい旨を話すと"まだ学生だからダメ"、"試験が終わって卒業するまではダメ"と言われ続けられたある日。

最悪な光景が目に入った。

たまたま外回り先が真野さんと同じ方向だったのと、お互いに直帰だった日の出来事。

***

「なあ?
 いつになったら、四季ちゃんに会わせてくるわけ?」
「今は試験勉強中だし、まだ二年生なのよ?
 しかも、未成年。無理な話ね。」

全くもって協力的じゃないのに頭を抱えるが、きっと親心なのかも知れないと諦めた時ーー。

「ここのね、カフェが凄く気になって。
 ほら。見て?」

会いたくて、欲しくて仕方のない愛おしい声が耳に入ってきた。
声のする方へ目を向けると。

一組のカップル?が目に入るーーーーーー。
最も見たくない光景。

(君が僕の知らない間に大人になっても直ぐに見つけ出せる。)

四季ちゃんが僕の知らない男と電車に乗ってきた。
思わぬ人物の登場で息を飲む。
堪らず、隣に座っている真野さんに目配せする。
"どういう事だよ!"と言うふうに。


(四季ちゃんには悪いけど、後を付けるよ。)