"happy birthday to しきちゃん"
子どもの頃の記憶が一気に蘇るーーーーー。
家族四人で訪れたあの幸せな日に見たデザートプレートにもチョコペンで書いてくれてあった。
そのプレートを見た瞬間ーーーーー。
ああ。
これは、もう。泣かせるつもりじゃん!と玲央さんを一瞬、小さく睨んでしまう。
この時には既に涙目だったかも知れない。
「僕の気持ち。受け取って欲しい。
本音言うとこれだけじゃ足りないけど。
今日はこれを。」
と言って、何かを開けて…
デザートの脇にさりげなく置かれた…四角い箱に入った…私が欲しいと願っていた…あのイヤリングが入った箱を。
大小のクリスタルが二連に連なっていて、クリスタルの回りには小さなパールがあしらってあるそれを。
そして、イヤリングの上に小さなカードが添えられていた…
そのカードを手に取って…
カードを読み終わる頃には、もう涙を我慢出来ず、此処が何処だとか場所を気にする余裕もなく自然と流れたーーーー。
カードをギュッっと両手で胸に押さえ彼の方を見るーーーーー。

