サプライズは素直に受け取って。


ここで、あれ?と思った。
私の頭が覚醒した。
そう。クリニックの名前は"工藤"ではない。

「大変申し上げ憎いのですが…クリニックの名前は"高梨内科クリニック"ですよ?」

「うん。
 母の旧姓は高梨(たかなし)だから。
 いつも、尚子先生って呼んでるのと四季ちゃんの性格上、苗字の事なんて気にしてなかったんじゃないのか?
 もしかしたら、職業が事務職だったら気付いたのかも知れないけど。
 信じられないなら、今から電話して確かめる?」

は!またどや顔で返された!!
この質問も答えは準備してましたよ的な。。。

さらに悲報が本日も一つ。
無頓着な性格がばれていた様で。
確かに事務職だったら処方箋とか領収書、郵便物の処理の時に嫌でも気付くか。

(患者さんも旧姓で尚子先生を呼んでる方がいたし…。)

一旦、休みたいな。
家に帰ってゆっくりお風呂に浸かって、美味しいスイーツを食べながらスマホで映画鑑賞したいなあ。なんて現実逃避をしたくても状況的に無理なわけで。

「いっいえ。
 そこまでして頂かなくても……。
 尚子先生の貴重なお時間を頂く訳にはいきませんので……。」

一気に力が抜けたように身体が椅子の支えがないと倒れそうだ。
私の敗北が決まったわけで。。。