サプライズは素直に受け取って。

驚愕ってこういった状況の事か、なんて。狼狽えすぎたのか他人事になってしまった。
まさか、子どもの頃から知られていたなんてね。

(ここで食事をしていた頃を見られていたなんてね。)

思い出を共有するつもりはないが、あの頃の私たちを知ってるということは…私たち家族の出来事も知られているのだろう。
何故なら小さな町のちょっとした事件や事故などは直ぐに噂が広がってしまうから。

「此処で四季ちゃんを見かけたと言うことは、君のお姉さんの事も以前から知っていたと言うことなのは分かるよね？
　真野さんとの再会は、入社後に何度か同期会があって、その何度目かの飲み会で、"真野"と言う名前と"しきと言う名前の妹がいる"と聞いてピンときて…君がどうしているのか知りたくて真野さんに話しかけた。
　それをきっかけに同期の中では一番話す様になったんだ。
　ここまで、付いてこれてる？」

と、玲央さんは一気に話したからか、グラスのミネラルウォーターを一口飲み小さく息を吐いた。

「…はい。なんとか。」

ただただ、狼狽える私を見て確認をしてくれるが、返す言葉が見つからないというか。
(とくかく今は聞き役に徹するしかない。)