サプライズは素直に受け取って。

謎の準備運動発言から私は何も言えなかったので、殆ど会話をせず、食事に集中していたらいつの間にか完食していた。
あの頃のように、とても美味しくてペロッと食べてしまうなんてね。
私の辞書には、緊張感という言葉はないのかと突っ込みを入れてしまう余裕さえ無いくらいに、狼狽えてしまっていたのに。

「次はいよいよ、デザートだね。
 ちょっと緊張してきたけど僕は四季ちゃんにだけは約束を守る男だから、良く聞いて欲しい。
 四季ちゃん、これは僕からのお願いだけど、どこか別の世界に行かないでちゃんと聞いて欲しい。」

テーブルの上は綺麗に片付けられ、あとはデザートを待つだけ。

「はい。
 しっかり聞いてますので、宜しくお願いします。」
今までの事があるので深々と頭を下げる。

「四季ちゃん。頭を上げて。
 いくつか、びっくりさせると思う。
 ついていけなくなったら聞き返してね。」

「はい。」と言ってコクンと頷く。