サプライズは素直に受け取って。

お誕生日の事も姉の仕業なのかは不明だが、ばれてしまってはここは素直に認めざるを得ない。

仕事の休日にしかもお誕生日でましてや、クリスマスイブなのに、一人で過ごすのは心許ないと自分中心の考えばかりを玲央さんに押し付けていた自分に気付き、子どもじみた行動を思いだし恥ずかしくなる。

(駅に置き去りし、タクシーで逃げた私を攻めない彼に・・・。)

「……は…い。
 恥ずかしくて、言えなかったんですけど。
 ……今日は…誕生日です。
 あのっ…お祝いして下さって、ありがとうございます。
 この、シャンパン凄く美味しいですね!
 甘くて炭酸も優しくて、少しフルーティーでグビグビ飲んじゃいそうです。」

「改めて、おめでとう。
 ほら。お酒はあまり強くない方だよね?
 料理もしっかり食べて。
 今日は僕の好物ばかりで申し訳ないけど。
 ピザが絶品なんだ!」

(ああ、こんなへそ曲がりな私に、どうしてこんなに優しくするの? 
とてもじゃないけど、自分の気持ちをセーブ出来なくなっちゃうよ。)