後ろからギューッと
抱きしめられ、
甘い大人な香りに包まれた。
「晴香さん?」
この数日間で
中の中の一般人の私にまで
すごくフレンドリーに接してくれる
彼女のスキンシップにはだいぶ慣れ、
恐れ多いことに晴香さんとは
仲良くなれた。
だから抱きしめられた事には
驚きはしなかったけど…。
「ずるくない。
今日まで我慢したんだから
俺が貰ってく。」
そんな小説の中でしか
聞いたことの無いセリフと共に
一瞬緩まった晴香さんの
腕の中から今度は違う誰かに
優しく引き寄せられ、
晴香さんとは違う
硬いけど、暖かいものに包まれた。
「ね?いいでしょ?」
耳元で囁く声に
今、私は五十嵐陸の腕の中に居るのだと
悟った。



