私がそう言えば勢いよく顔を上げる彼。
やっぱり、また顔真っ赤。


「え、もしかして、ずっと起きてた……?」
「んふふ、うん。」
「はぁーー!?ずるいなぁ……。」


拗ねた様な顔をする彼は、


「やっぱり、可愛いねぇ。」
「可愛いとか言われても嬉しくないし……。」
「えー、可愛いよ?」


彼の髪に手を滑らせる様に撫でると、サラサラの髪が指の間を抜けていく。


「ちょっと、もうやめてってば!」
「えー、もうちょっとだけ、」
「本当に、いい加減にしないと、」


彼の髪に触れていた私の手首が彼に掴まれて、ベッドに縫い付けられる。


「え、」
「煽ったの、そっちだよ。責任とって。」


ジッと熱を孕んだ視線が私を見つめる。

あ、これは、変なスイッチ入っちゃったかな。


「仕事は、まだ終わってないんじゃ、」
「もういい、急ぎじゃないし明日する。」
「え、ちょっと待ってってば、」
「待てない、無理。」


彼の手が私のTシャツの中に入ってきて、指先が肌の上を滑る。

私が彼の手首を掴むと、案外あっさりと手は止まった。


「駄目なの……?」
「だって明日も仕事だもん。君もでしょ?」
「……はぁ、分かったよ。」


彼はゆっくりと身体を起こして、ベッドから降りた。

彼はまたリビングに戻って、しばらくするとリビングの灯りが消えた。
ベッドに戻ってきた彼は、私の隣に横になって、また少し拗ねた様な顔をする。


「また今度ね。」
「本当に、今週末覚悟しとけよ。」


ギュッと私の腰を引き寄せられて、ピッタリと身を寄せ合うと、ゆっくりと眠気が襲ってくる。

それじゃあ、おやすみ。
また明日。