ちゃんと自分で謝ろうと思って口を開こうとすると、


「んっ……?」


ふにっと唇に当たる感触。
感覚を空けてもう一度。
角度を変えてもう一度。

だんだんと長くなって息が続かない。


「んぅ……ふぁ……、」
 

苦しくなって声が漏れると、パッと唇が離れた。


「え……、起きてた……?」


目を開けると顔を真っ赤にしている彼。


「こんなの、寝てたって起きるよ……。」


私も多分真っ赤だろうなぁ……。


「だって……、いつもは、」
「いつも?」
「あ、いや、えっと、」


彼が小さく呟いた事を聞き返すと、彼は分かりやすく焦り始めた。


「いつも私が先に寝た時、私にキスしてたの?」
「……うん……。」


蹲って顔を隠してしまった彼は小さく頷いた。


「顔見たいな。」
「やだ。」
「こっち向いてよ。」
「本当に!やだ!」


頑なな彼は更にギュッと丸まる。

どうしたらいいかなぁ。
あ、そうだ。


「ねぇねぇ、」


これなら君はこっちを見てくれるかな?


「私も、好きだよ。」