手を引いて寝室のベッドに横になると、やっぱり頑張りすぎで眠かったらしい彼女は、閉じてしまいそうな目を擦っている。


「……ねぇ、」
「どうしたの?」
「明日ねぇ、仕事遅いとか言われないかなぁ……?」


眠そうだったのに、今はすごく心配そうな顔をしている。


「終わらなかったせいで迷惑かけて、嫌われちゃったりしないかなぁ……?」


彼女が頑張り屋な事くらい、彼氏の僕じゃなくても見ていれば分かる。
心配しなくていいのに。


「大丈夫だよ。だって見て分かるくらい頑張ってるんだもん。」
「本当?」
「もしそんな人がいたら僕がめっちゃキレそうだなぁ……。」
「何で貴方がキレるの。」


彼女はまた笑った。

でも本当に、彼女の頑張りを馬鹿にしたり否定したりする人がいたら。
考えるだけでもムカつくからやめてほしい。

そんな事を思っていると、彼女が小さく欠伸をした。


「ほら、眠いでしょ。もう寝よう。」
「……うん。」
「おやすみ、また明日ね。」
「明日ね……。」


彼女が目を閉じるのを見届けて、僕も目を閉じた。


また明日、僕の隣で笑ってね。
また明日、一緒に頑張ろう。