「ねぇ、私達ってさ、何なんだろうね。」
彼の動きが止まった。
「何で私達、こんな事してるんだろう。」
彼の身体が少し強張った。私の腹囲に腕を回して、離さないと言わんばかりにギュウギュウとしがみついてくる。
「ねぇ、もうこんな関係、」
「やだ。」
私が言い終わる前に、彼がやっと口を開けた。
「終わりにしたいなんて言わないで……、ねぇ、これからも俺の側にいて、お願い……。」
縋り付いてくるような声が、いつまでもこの関係を終わらせてくれない。
彼にとって私は、何だろう。
身体の関係だけの存在に近いのかもしれない。ただ、彼の欲を満たすだけの存在。
けれど、彼は私を抱いてはくれなかった。
私から誘ったことがあった。
けれど、
「ごめん、やめとこう?」
彼は何度も私に好きだと言ってくれた。
けれど、やはり一線を超えることは無い。
彼の心は手に入っても、身体だけは彼女のものだった。
私は、彼の特別にはなれないと知った。
