時間がたってもネットの炎上は収まることを知らず、どちらかと言うと加速していくように見えた。
「それにしても酷いわね」
夕方、デスク周りを片付け始めた礼さんが悔しそうに吐き捨てる。
今日一日、遥はオフィスに姿を現さなかった。
雪丸さんは忙しそうに動き回っている。
そして、不思議なことに高野さんの姿も見なかった。
「上の人の思惑はわからないけれど、怪しい雲行きね」
「ええ」
すっかり活気のなくなったオフィスに、鳴りやむことのない電話の音だけが一日中響いている。
内部事情なんて一向に伝わってこない一般職員にも、よくない状況なのはわかる。
「礼さんは何か聞いていないんですか?」
遥や雪丸さんと親しい礼さんのことだから、何か知っているんじゃないかとカマをかけた。
「さすがに、何も知らないわ」
「そうですか」
いつもの調子で礼さんが聞けば雪丸さんだって少しは話してくれると思うのに、公私混同しないのが礼さんらしい。
ピコン。
ん?
珍しい、晶からのメールだ。
「すみません、ちょっと外します」
ちょうど終業時間を迎えたタイミングでもあり、萌夏は廊下の先にある休憩スペースへと逃げ出した。
「それにしても酷いわね」
夕方、デスク周りを片付け始めた礼さんが悔しそうに吐き捨てる。
今日一日、遥はオフィスに姿を現さなかった。
雪丸さんは忙しそうに動き回っている。
そして、不思議なことに高野さんの姿も見なかった。
「上の人の思惑はわからないけれど、怪しい雲行きね」
「ええ」
すっかり活気のなくなったオフィスに、鳴りやむことのない電話の音だけが一日中響いている。
内部事情なんて一向に伝わってこない一般職員にも、よくない状況なのはわかる。
「礼さんは何か聞いていないんですか?」
遥や雪丸さんと親しい礼さんのことだから、何か知っているんじゃないかとカマをかけた。
「さすがに、何も知らないわ」
「そうですか」
いつもの調子で礼さんが聞けば雪丸さんだって少しは話してくれると思うのに、公私混同しないのが礼さんらしい。
ピコン。
ん?
珍しい、晶からのメールだ。
「すみません、ちょっと外します」
ちょうど終業時間を迎えたタイミングでもあり、萌夏は廊下の先にある休憩スペースへと逃げ出した。