「おい、萌夏。昨日は営業の飲み会だったんだよな」

食事の片づけをするためにお母様が台所に立ち、2人になったリビング。
横になった萌夏の向こうで、遥が何か考えている。

「うん」
「メンバーは?」
「えっと、男性が4人と、女性が3人。みんな営業部の人よ」
「高野や礼もいたのか?」
「うん。礼さんは一次会で帰ったけれど男性陣はカラオケまでいて、最後は高野さんに送ってもらったわ」
「ふーん」

あら、不機嫌そう。

何だかとても嫌な予感がするなと思いながら、コンソメスープでおなかの満たされた萌夏は睡魔には勝てず眠り込んでしまった。