「今日はお前の欲しい物を買ってやる予定だって言っただろ」
「それはもう買ってもらいました」
「あれは欲しい物に入らない」
「無駄遣いしたい気分なんですか?私は自分で買うので結構です」
「男が女に欲しい物を買い与えるのは当然のことだろう」
「じゃあ郁也さんも欲しい物を言ってください、私が貴方の欲しい物を買いますので」
自分だけ買い与えられてばかりなのは気に食わない。
女に何かを買い与えて当然という考えは間違っている。
「俺の欲しい物?」
「私だけ買ってもらってばかりでは不服ですので」
欲しい物がないなら、そのクッションは自分で買うつもりで郁也さんをじっと見つめる。
けれど彼は目を丸くし、私を見つめ返してきた。
「何でお前が買う必要がある」
「今の言葉、そのまま貴方にお返しします」
「……お前、本当に女か?」
「逆に貴方が思う女性の像がおかしいと思うのですが……あ、香織さんをバカにしているわけではないので」
勘違いして、また侮辱したと思われたら困るため、予め誤解を解いておく。
郁也さんはしばらく黙り込んだ後、ようやく口を開いた。



