望まない結婚なので、3年以内に離婚しましょう。



「今日はお前の欲しい物を買ってやる予定だって言っただろ」

「それはもう買ってもらいました」
「あれは欲しい物に入らない」

「無駄遣いしたい気分なんですか?私は自分で買うので結構です」

「男が女に欲しい物を買い与えるのは当然のことだろう」

「じゃあ郁也さんも欲しい物を言ってください、私が貴方の欲しい物を買いますので」


 自分だけ買い与えられてばかりなのは気に食わない。
 女に何かを買い与えて当然という考えは間違っている。


「俺の欲しい物?」
「私だけ買ってもらってばかりでは不服ですので」

 欲しい物がないなら、そのクッションは自分で買うつもりで郁也さんをじっと見つめる。

 けれど彼は目を丸くし、私を見つめ返してきた。


「何でお前が買う必要がある」
「今の言葉、そのまま貴方にお返しします」

「……お前、本当に女か?」

「逆に貴方が思う女性の像がおかしいと思うのですが……あ、香織さんをバカにしているわけではないので」


 勘違いして、また侮辱したと思われたら困るため、予め誤解を解いておく。


 郁也さんはしばらく黙り込んだ後、ようやく口を開いた。