「すみません、こんなにたくさん」
「言っとくがこれはお前の欲しい物にカウントしないからな」
「どうしてですか」
これが欲しくてわざわざショッピングモールに連れてきてもらったというのに。
「やっぱりお前って変だよな。欲しい物が調理器具って、初めて聞いた」
「これ以外に今は欲しいものなんてなかったんです!」
素直に欲しい物を答えただけだというのに、そんな変な物を見る目で私を見ないで欲しい。
「それに、全員が全員ブランド物のアクセサリーやバッグが欲しいと思っているわけではないってこと、覚えていてくださいね」
私がそれに当てはまるのだ。
それに好きでもない相手に高価な物を買ってもらうのは気が引ける。
けれど優希くんがブランド物のピアスをプレゼントしてくれた時は本当に嬉しかった。
だって私のために、わざわざ店に足を運んでピアスを選んでくれていたのだと思うと、自然と頬が緩んでしまう。
結局は好きな人から貰う物は何でも嬉しい気がする。
「単にお前に物欲がないだけだろう」
「そうですね。もうそういうことにしておきます」
未だに納得のいかない表情をしている郁也さんを見て、もうこれ以上何を言っても無駄な気がして会話を終わらせることにした。



