望まない結婚なので、3年以内に離婚しましょう。



「あ、ハンドミキサーも……!」

 お菓子を作る上でハンドミキサーの存在はありがたい。これも欲しいと思ってしまう。

 けれどさすがに買いすぎだろうか。


「欲しいなら買えばいい」
「いいんですか……!?ありがとうございます」

 お菓子作りは完全に趣味だというのに、郁也さんは買っていいと言ってくれた。

 お言葉に甘えて買わさせてもらう。
 自分で稼いだお金で買おうと思っていたため、本当にありがたい。


「郁也さん、見てください。これ、二人で鍋するのに丁度いい大きさじゃないですか?」


 これ以上長居すると余計に欲しい物が増えると思い、レジに向かおうとした途中に、とある卓上鍋に目がいった。

 冬といえば鍋の季節だ、今の時期にぴったりの商品である。


「へぇ、“二人”で鍋を……な?」
「……あ」

 “二人”の部分を強調され、ハッとする。
 つい買い物に夢中になってしまい、二人で鍋をする前提で話していたのだ。


「やっぱりナシで……」

「まあ気が向いたらすればいい。色は赤と橙の2種類あるが、どっちがいいんだ?」

「……赤がいいです」


 郁也さんが買うように促してくるため、誘惑に負けて周りが赤の卓上鍋も買ってもらうことになった。