避妊って……確かに結婚する時、互いの両親に子作りは私が大学を卒業してからだと言われていたけれど、体の関係を持つつもりはなかった。
そもそも同じベッドで寝てすらいない。
「朱莉ちゃん!?大丈夫?」
「は、はい……すみません、大丈夫です」
慌てて笑顔を浮かべ、変に誤解をされる前に避妊の件は安心してくれて大丈夫だと言おうと思ったけれど、咳が出て上手く言葉が出ない。
「えっと、その様子じゃもしかして」
「母さん、俺たちが約束を破るわけがないだろ。それに俺だって朱莉を大切にしたいと思ってるんだ、学生の間は学生らしい生活を送らせてやりたい」
よくもまあペラペラと嘘を吐けるものだ。
学生らしい生活って、郁也さんと結婚をした時点でそのような生活は送れていないのだけれど。
「郁也、あなた格好いいことを言うようになったのね。そうよ、朱莉ちゃんはまだ学生なんだから、余計な負担をかけさせてはダメよ。家事の件もそうだけど……」
京子さんは郁也さんが家事をしていないことを気にしているようで、軽く説教をされていた。
一応今日は掃除をしてくれたことを考え、途中で私が家事を手伝ってもらっていますと言ったけれど、家事は一緒にやるもので手伝ってもらうことではないと私も軽く怒られてしまった。
最終的には「二人はまだまだ夫婦の自覚が足りない」と一緒に説教される形となった。
どうやら二人で出かけたことがないということに関しても、良く思っていなかったようで、もっと二人の時間を作れとも言われてしまう。



