望まない結婚なので、3年以内に離婚しましょう。



 席は4つしかないし、堂々とリビングにいるのは居心地が悪い。

 かといって部屋に行くのもどうかと思い、キッチンに立つことを選んだ。

 何もしないのは暇であるため、食後のデザートでも作ろうかと思った。

 オーブンの予熱を開始して、お酒にも合いそうなチーズケーキを作ることにした。


 その間、リビングのテーブルからは楽しそうな会話が聞こえてきた。

 途中、『この唐揚げすごく美味しい』だとか『箸が止まらない』だとか、私の料理を嬉しそうに食べているのが伝わる会話もされていた。


 おかわりも求められ、余分にスープやご飯を炊いていて助かった。

 量が多いくらいだと思っていたけれど、成人男性4人となれば、簡単に平らげてしまう量のようだ。


 キッチンからテーブルを覗くと、郁也さんも思いの外食べてくれていて、少し意外だった。

 毎日料理を作っているけれど、本当に食べてくれているのか不安だったからだ。


 お礼こそは言われないけれど、捨てずに食べてくれているのならまだ良かった。


「あの、本当に大丈夫なので」
「いや、むしろ手伝わせてください」


 料理は残すことなく4人で全部食べてくれ、あとから出したチーズケーキも喜んで食べてくれた。

 けれど肝心のお酒がなくなってしまい、郁也さんと同僚二人がお酒を調達しに出かける一方で、私は家に残っている一人の同僚に洗い物を手伝うと言われていた。