席は4つしかないし、堂々とリビングにいるのは居心地が悪い。
かといって部屋に行くのもどうかと思い、キッチンに立つことを選んだ。
何もしないのは暇であるため、食後のデザートでも作ろうかと思った。
オーブンの予熱を開始して、お酒にも合いそうなチーズケーキを作ることにした。
その間、リビングのテーブルからは楽しそうな会話が聞こえてきた。
途中、『この唐揚げすごく美味しい』だとか『箸が止まらない』だとか、私の料理を嬉しそうに食べているのが伝わる会話もされていた。
おかわりも求められ、余分にスープやご飯を炊いていて助かった。
量が多いくらいだと思っていたけれど、成人男性4人となれば、簡単に平らげてしまう量のようだ。
キッチンからテーブルを覗くと、郁也さんも思いの外食べてくれていて、少し意外だった。
毎日料理を作っているけれど、本当に食べてくれているのか不安だったからだ。
お礼こそは言われないけれど、捨てずに食べてくれているのならまだ良かった。
「あの、本当に大丈夫なので」
「いや、むしろ手伝わせてください」
料理は残すことなく4人で全部食べてくれ、あとから出したチーズケーキも喜んで食べてくれた。
けれど肝心のお酒がなくなってしまい、郁也さんと同僚二人がお酒を調達しに出かける一方で、私は家に残っている一人の同僚に洗い物を手伝うと言われていた。



