髪は予め巻いた状態からハーフアップにしてアレンジを加える。
服装はエンジ色のリブニットに紺色のフレアスカートを合わせた。
最後にホワイトゴールドのピアスをつけようとした時、自分の指を見てハッとした。
それは結婚指輪をつけていないことである。
流石に学校で結婚指輪をつけるのは躊躇われるためつけていないけれど、郁也さんの会社の同僚が来るのなら尚更つけなければならない。
郁也さんが常日頃から結婚指輪をつけているかはわからないけれど。
急いでピアスをつけ、自分の部屋へと向かう。
部屋に入って右手の壁にくっつける形で置かれている3段チェスト。その一番下の引き出しに結婚指輪はしまってある。
特に使うことはないだろうと思い、あえてそこに直していた。
まさかこんなにも早く結婚指輪をつける日が来るとは思わなかった。
形だけの結婚を表すシルバーの指輪。
左手の薬指につけ、私の準備は完成した。
あとは郁也さんたちを待つだけである。
同僚と言っていたけれど、郁也さんは今、どのような立場でどのような仕事をしているのだろう。
現社長を継ぐことは決まっていると親から聞いていたけれど……今は副社長だとか、専務だとか、偉い立場にあるのだろうか。
けれどまだ30歳にも満たない若さだ。



