それらしく、三つ揃いで志田が姿を見せたのはしばらく経って。

『おはようございます!』

太い声が重なってオフィス内に響き、空気まで張る。居心地悪そうな星が縮こまって見えた。

入り口の自動ドアが音を立てた瞬間に、座ったまま深くお辞儀したから顔は見てない。パーティションの向こうでは、店長が実績を報告する声と江上さんが活を入れる声。社長の短い訓示が聞こえて、静まりかえる。

星に目配せすると、タイミングを見計らい給湯室に。コーヒーマシンで淹れたアイスコーヒーを二つ、トレーに乗せて社長室のドアをノックした。家だったら立場が真逆。

「失礼します」

「・・・お疲れ様です。梓お嬢」

応接ソファに江上さんと向かい合ってた志田が、立ち上がって一礼した。

「あ、うん。お疲れさま」

社長に対する口の聞き方じゃないとは思いつつ。ローテーブルにコースター、グラスを置けば、こっちを見上げた江上さんがニンマリ口角を上げた。

「すいませんね、お嬢」