思いもよらないで呆気なく空いた、“穴”を前に立ち尽くすのを。引き留めるのはお兄の声。きつく目を閉じてから両頬を勢いよく叩く。
秋生ちゃんならきっと柳さんの本性を見抜ける。やめなさいって言うわよ絶対に。多数決で決まり。
鏡の中の自分と目も合わさずに、どことなく破れかぶれな心境でドアハンドルに手をかけた。どうせなら甘ったるいカクテルで酔い潰れてしまおう。記憶を失くして無かったことにするの。・・・全部。
「おかえり」
あたしが戻ったと同時、煙草の火を灰皿で揉み消した柳さん。何故か彼女の姿がない。飲みかけのグラスはそのまま。外で電話?入り口を見やって訊ねた。
「秋生ちゃんは?」
「ついさっき彼氏が迎えに来て先に帰った」
「?!!!」
秋生ちゃんならきっと柳さんの本性を見抜ける。やめなさいって言うわよ絶対に。多数決で決まり。
鏡の中の自分と目も合わさずに、どことなく破れかぶれな心境でドアハンドルに手をかけた。どうせなら甘ったるいカクテルで酔い潰れてしまおう。記憶を失くして無かったことにするの。・・・全部。
「おかえり」
あたしが戻ったと同時、煙草の火を灰皿で揉み消した柳さん。何故か彼女の姿がない。飲みかけのグラスはそのまま。外で電話?入り口を見やって訊ねた。
「秋生ちゃんは?」
「ついさっき彼氏が迎えに来て先に帰った」
「?!!!」



