「けっこうイイ男だったのに。大変そうだねぇ、高いカベよじ登って姫に辿り着くのは」
クスリと意地の悪い笑み。
「ほっといてください・・・!あたしだって取っ払えるものならそうしてます。でも壊れてくれないんだから、しょうがないでしょうっ?」
なによ、人の気も知らないで。
適当に受け流せばいいのに、会ってたった二度の男に無性に苛立ってる自分がいる。コントロール出来ずに素を晒してる自分がいる。
「お兄が結婚した途端、親もあたしを結婚させたがるし、だからって好きな男くらい自分で見つけるわよ!絶対幸せになってお兄を安心させるのが妹の役目なんだからっ」
早口でまくし立てると、甘さに苦みも混じった大人のオレンジ味を飲み干した。
自分がどれに腹を立ててるのかよく分からなかった。なんでか口惜しくて、なんでか悲しくて。目から熱い何かがどんどん落ちて散らばってく。
はち切れそうに膨らんだ袋に裂け目ができて。
詰め込んでたモノが溢れ出したみたいに。
クスリと意地の悪い笑み。
「ほっといてください・・・!あたしだって取っ払えるものならそうしてます。でも壊れてくれないんだから、しょうがないでしょうっ?」
なによ、人の気も知らないで。
適当に受け流せばいいのに、会ってたった二度の男に無性に苛立ってる自分がいる。コントロール出来ずに素を晒してる自分がいる。
「お兄が結婚した途端、親もあたしを結婚させたがるし、だからって好きな男くらい自分で見つけるわよ!絶対幸せになってお兄を安心させるのが妹の役目なんだからっ」
早口でまくし立てると、甘さに苦みも混じった大人のオレンジ味を飲み干した。
自分がどれに腹を立ててるのかよく分からなかった。なんでか口惜しくて、なんでか悲しくて。目から熱い何かがどんどん落ちて散らばってく。
はち切れそうに膨らんだ袋に裂け目ができて。
詰め込んでたモノが溢れ出したみたいに。



