後部シートに二人・・・が知らない他人とだからか、いつになく居心地が悪い。どこでもいいからその辺の店の前で落としなさいよーっ。運転席の志田に向かって吠える。心の声で。
「本当にお兄さんと仲が良いんですね」
さっきより少し砕けた口調でナチュラルに話しかけられた。
「僕にも兄がいるんですが、男同士はあっさりしてると言うか」
「生まれた時からお兄はあたしを溺愛してますし、お兄を超える男にあたしも会ったことないですし」
だからお呼びじゃないの。あくまで笑顔を絶やさずに。
「淳人さんのお噂もよく聞いてます、先生の信頼も厚くてとても有能だと。梓さんがお兄さんを誇りに思って慕うのは当然でしょう」
・・・ふぅん。
ブラコンは否定しない作戦?おじさまにかなりレクチャーされてきたワケね。
「僕も仕事柄いろいろお会いしますが、淳人さんの空気は別格ですね。一目で圧倒されましたよ。でもそれを見抜かれれば門前払いにされる。及第点をもらえたから梓さんといられるんだと、己惚れてるところです」
微笑んだ鳴宮浩一の作り話だとは思わなかったけど。耳の奥をすり抜けてった。スピードに合わせてガラスの外を流れる色みたいに。
「本当にお兄さんと仲が良いんですね」
さっきより少し砕けた口調でナチュラルに話しかけられた。
「僕にも兄がいるんですが、男同士はあっさりしてると言うか」
「生まれた時からお兄はあたしを溺愛してますし、お兄を超える男にあたしも会ったことないですし」
だからお呼びじゃないの。あくまで笑顔を絶やさずに。
「淳人さんのお噂もよく聞いてます、先生の信頼も厚くてとても有能だと。梓さんがお兄さんを誇りに思って慕うのは当然でしょう」
・・・ふぅん。
ブラコンは否定しない作戦?おじさまにかなりレクチャーされてきたワケね。
「僕も仕事柄いろいろお会いしますが、淳人さんの空気は別格ですね。一目で圧倒されましたよ。でもそれを見抜かれれば門前払いにされる。及第点をもらえたから梓さんといられるんだと、己惚れてるところです」
微笑んだ鳴宮浩一の作り話だとは思わなかったけど。耳の奥をすり抜けてった。スピードに合わせてガラスの外を流れる色みたいに。



