骨も残らなかったなら、魂だけでいいから帰ってきて欲しかった。姿なんてどうでもよかった。心が擦り切れそうに願った、祈った。仏様にも閻魔様にも、あたしの命と引き換えでいいから、って。

「古傷があちこち痛んでさ･･･。役に立たないランプの精じゃ、ユウジとアリサが可哀相だろ？･･･パパはカッコよく死んだことにしといてよ」

「イヤッッ」

隆二の背中に両手を回して力いっぱいしがみつく。もう一度離れるくらいなら、あたしは･･･！！

「一緒に帰るに決まってるでしょ･･･ッ？！役に立たないってなに？！パパって呼べるだけで十分じゃないっっ、それだけであの子達は幸せじゃないッ！！」

叫んだ。喉が切れそうに声を振り絞って。

「隆二だって子供達に会いたかったんでしょ？！だから昼間、知らない男のフリして近づいたんでしょ？！あたしだって、あたしがどれだけ隆二に会いたかったか･･･っっ！待っててって言ったのに戻ってこなかったじゃないッ、うそつき、うそつき、嘘つきッッ」