「ママー、買っていーいっ?」

双子を迎えに行った車でショッピングセンターへ。スーパーにドラッグストア、100円ショップも揃って、痒い所に手が届く便利スポットだ。

おもちゃも文具もお菓子も売ってる100円ショップは、子供にとってオネダリの国。有紗のあざとい笑顔に、わざと渋って「二つだけよ?」。

「ありさ、かわいいノートにするー!」

「はしっちゃダメだよ、しょーがないなぁ」

身長差もさほどないユウが、ときどき大人びて見える。ついこないだまで這い這いしてたのに。歩幅の小さい二人の後を追いかけながら。

数えたら七年経ってただけで、長いも短いもなかった。この先もあっという間に中学生、高校生、子供たちの時間はどんどん流れてく。立ち止まって振り返って、愛しい男の温もりを懐かしんで泣いてもいられない。

そうしてきたつもりだけど。パパと並んで買い物する家族連れの姿は、ちょっとだけ目に染みるの。サンダルつっかけて隣りで笑ってた隆二が、噓みたいにまざまざと浮かんで。