「じゃあ行ってくる」
「行ってらっしゃい。風邪引かないようにね?」
気を付けて、は言わない。無事じゃなくなる気がするから。
「うん。タツオが来られないから、知ってる狼が来ても、誰も家に入れちゃダメだよ?」
「もうっ、知ってる人間しか入れないから大丈夫!」
「困ったら、あとは伊沢さんがどうにかしてくれる」
「心配性ねぇ」
「大事な女を置いてくからねぇ」
見上げてる男が艶めかしく口角を上げたかと思うと、腰を引き寄せ、深いキスを繋げる。
しなやかな舌先が、歯列を確かめるようになぞる。
あたしの舌に絡みつく。混ざり合いひとつになる。
満たされる、それだけで。
芯まで。
離れては啄むを繰り返し、瞼に額に、最後は頭の天辺に口付け。「おしまい」と隆二は甘く笑った。
「行ってらっしゃい。風邪引かないようにね?」
気を付けて、は言わない。無事じゃなくなる気がするから。
「うん。タツオが来られないから、知ってる狼が来ても、誰も家に入れちゃダメだよ?」
「もうっ、知ってる人間しか入れないから大丈夫!」
「困ったら、あとは伊沢さんがどうにかしてくれる」
「心配性ねぇ」
「大事な女を置いてくからねぇ」
見上げてる男が艶めかしく口角を上げたかと思うと、腰を引き寄せ、深いキスを繋げる。
しなやかな舌先が、歯列を確かめるようになぞる。
あたしの舌に絡みつく。混ざり合いひとつになる。
満たされる、それだけで。
芯まで。
離れては啄むを繰り返し、瞼に額に、最後は頭の天辺に口付け。「おしまい」と隆二は甘く笑った。



