そうか、と寂し気にも聴こえた。見えない大きな掌があたしの頭を撫でてる。・・・気もした。

(メシ)くらいは付き合えよ』

「そのくらいなら付き合ってもいいけど?」

『・・・じゃあまた後でな』

わざと意地悪っぽく返したあたしにお兄が柔らかく言い、通話は切れた。

耳から離したスマホをカフェテーブルに置くと、倒れ込んで枕代わりにもするクッションに突っ伏す。

・・・・・・大丈夫、気付かれてない。嘘で取り繕った本心。それでもどうしても三人で行きたくなかったこと。お兄があたしを爪弾きになんかしないって分かってるのに。二人で優しく甘やかしてくれるはずなのに。

杏花さんにだけ見せる、お兄の特別な顔を間近にするのかと思ったら。秋生ちゃんとハルトさんのように、通じ合ってる空気に包まれるのかと思ったら。

堪らなくなったの。一緒にいてもきっとあたしだけ置いてきぼり。余計に思い知らされるだけ、寂しくてしょうがないだけ・・・っ。