本当の理由を、小さい箱に詰められて渡された気がする。テープを剥がしたら隆二は教えてくれたと思う。だけど封を切らずにそっと仕舞い込んだ。今はいい、この温もりを信じるだけで。

「・・・ありがとう隆二」

もらってあげてもいいわ、なんて強がれもしない。頬をすべり落ちる雫を拭う優しい唇が、やがて躰中を啄んでく。

絶え間なく声を上げ、名前を呼んだ。アイシテルをうわ言みたいに繰り返した。そのたび奥まで突き上げられ、欲情が激しくうねった。

汗にまみれて、愛しい男の荒い喘ぎと昂ぶりの低い呻きが耳の奥に残響する。

「ッ、梓・・・ッッ」

一緒に昇りつめ、生温かい熱が中に放たれてからも、しばらく隆二は繋がったままでいた。

のしかかる重みを受け止めながら、天に向かって見えない手を伸ばす。

一年後の未来を思う。
三年後を思う。
パパとママって呼ばれてる未来を思う。

たとえ叶わなかったとしても。
今日を思い出すだけできっと、
あたしは幸せ。