秋生ちゃんとは月1か2で宅飲み女子会するし、たまにハルトさんも雑ざったり。なんだかんだ四人揃うのは久しぶりで気分も上がる。

「お兄って単語しか知らなかった梓がオトナになって、甥っ子ちゃんが生まれて?お兄さんもすっかり妹離れできたし、丸く収まったってイイ話ー」

「丸すぎって言うか離れすぎ!ってくらいミナトしか目に入ってないのよねぇ。お父さん達も初孫が可愛くてしょうがないから、たまに帰っても見向きもされないの」

思わず嘆息。

今年の一月に無事誕生した、お兄と杏花さんの宝物、(みなと)。顔付きもだんだん、目元はくりっと杏花さんぽく、たぶん鼻筋や口許はお兄似。

笑うと愛くるしさが大爆発して、大概あたしも骨抜きにされてるけど! 末っ子の一人娘で、今までわりと家族の中心にいた分、この放置ぶりは抗議したいほど寂しい。正直言えば。

「諦めなさいよー?梓。立派な千倉の跡取りになるまで、地球は王子様の周りを回るんだからね!」

・・・ごもっとも。ケラケラ笑い飛ばす秋生ちゃんに釣られ、小さく吹き出す。

「そのあいだお姫サマは心置きなく、悪い魔法使いに溺愛(だま)されてればいーってコト。でしょー?」

「相変わらずアリスちゃんは手厳しいなぁ」