ソファから抱き上げられバスルームへ。あたしを泡まみれにして敏感なところを弄んだあと、後ろから突き上げ容赦なく啼かされた。

『誰も聴いてないから大丈夫』

反響する喘ぎ声が天井から降り注ぐほど、自分が自分じゃなくなった。浴びるシャワーのお湯に混じり、白濁の雫が太股を伝い流れてくのがぼんやり目に映った。

隆二の胸を背もたれに、温めのお湯に浸かるうち、浮かされた熱もようやく(しず)まってくる。優しい気怠さと愛しい男の温もりがひどく心地いい。

「・・・そう言えば仕事に行くんじゃなかった?」

マンションを出る前の会話がふいに、頭の隅にもたげた。

「んー?ああ、センセイと約束してたんだけどねぇ、また今度になった」

「菅谷のおじさま・・・?」

「ここ、センセイの伝手で紹介してもらったからお礼とかさ。オレよりカワイイあずちゃんに会いたがってたよ?」

笑った気配で肩口をやんわり食まれた感触。

腑に落ちた。いくらお兄があたしの意思を尊重してくれてるとは言え、引っ越しをすんなり許したのは、後ろ盾になってるおじさまが関わってたから。鷺沢の会長やお父さんも道理で大人しいはずだ。