慌てて手にしたスマホをタップ、耳に当てる。5コール目で呼び出し音がお兄の声に切り替わった。優しいバリトンボイス。
『梓か。女子会だったんだろう?楽しんできたか』
「秋生ちゃんとだったから、いつも通りよ」
お兄には彼女の素性を打ち明け済みだ。変に心配させないように。
『そうか』
向こう側から届く雑多な音声は屋外かどこかのお店か。日付も変わってるのに付き合いだの接待だの、普通のサラリーマンと変わらないのよね、お兄の苦労も。
「あ。電話おそくなってごめんねお兄、お風呂入ってたから」
『いや・・・大丈夫だ』
移動してるのか声が波打って聞こえる。
『梓も明日から連休だろう?実家に戻るなら言っておこうと思ってな』
「なぁに?」
『俺と杏花は五日ほど留守にする。・・・ちょっとした旅行だ、お前にも土産を買って帰るから楽しみにな』
『梓か。女子会だったんだろう?楽しんできたか』
「秋生ちゃんとだったから、いつも通りよ」
お兄には彼女の素性を打ち明け済みだ。変に心配させないように。
『そうか』
向こう側から届く雑多な音声は屋外かどこかのお店か。日付も変わってるのに付き合いだの接待だの、普通のサラリーマンと変わらないのよね、お兄の苦労も。
「あ。電話おそくなってごめんねお兄、お風呂入ってたから」
『いや・・・大丈夫だ』
移動してるのか声が波打って聞こえる。
『梓も明日から連休だろう?実家に戻るなら言っておこうと思ってな』
「なぁに?」
『俺と杏花は五日ほど留守にする。・・・ちょっとした旅行だ、お前にも土産を買って帰るから楽しみにな』



