気にならないわけがない。だってあたしを柳さんから遠ざけたかったはずでしょ、一体どういうつもりで志田は。

んー?と、少し間延びして軽く返る。

「オレに渡すくらいならお嬢を殺すって脅されたから、そっくり返しに来ただけ」

・・・・・・・・・。待って。それってなんの駆け引きなの?どっちに転んでもあたしが死ぬの?
 
「タツオはそういうトコが可愛いよ」

そういうってどの辺が?!

一番当てはまらない形容詞が『殺す』うんぬんを上書きして、まじまじ柳さんに見入ってしまう。茶化してるようで、幼馴染みの切れない縁が根っこにあるようにも。

「オレに邪魔させたって、今ごろ淳人が指でも詰めさせてるかナ?」

「?!!!」