愛がなくても、生きていける




「やっぱり……お花、ちゃんと選んでもいいですか?」

「もちろんです。好みがわからないようでしたら、花言葉で選んでみるのはどうですか」

「花言葉?」



涙でぐしゃぐしゃな顔をハンカチで拭いながらたずねると、彼女はカウンターの中からタブレットを取り出して私に見せる。



「花束も意味を込めて贈れば、それは自然と相手にも伝わります。お祝い関連の花言葉を持つお花はこの辺りですね」



言いながら彼女が見せた画面には、いくつもの花の画像と花言葉や由来がつづられている。



「希望や好意、どんな意味のお花を贈るかはお客様の自由です。けど大事なのは、今あなたがその人になにを思うか、です」



今私が、辰巳になにを思うか。

なにを求め、なにを願うか。



私を見てほしいとか、私を選んでほしいとか、ずっとあなたが好きでしたとか。

そんな願いをひっそりと込めることも簡単だ。

だけど……辰巳のあの笑顔を思い浮かべたとき、一番に想うことはそんなことじゃない。



「これに、してください」



辰巳のことを想いながら、指さした願いは――。