2>待ちに待った修学旅行


「はーい、2組こっちのバス乗ってね。じゃ、また11時に」


入り口で、左のバスだよって念を押す。さて、行くか。さっき寝たから、大分疲れも取れたし。


「京、行こう!」


いつもは冷静な香耶も今日は騒いでいる。やっぱり修学旅行は楽しみみたい。


「まずは、お守り買おうよ。一番手前だし」


渡辺さんの提案に皆が頷く。いや、これは決まっていたことだから提案というよりは、確認かもしれない。


「京、どれ買うの?」


「んー、これ」


紺色の綺麗な、小さな鈴の付いたガラスの瓶のお守り。落ち着いてて、好き。


「ね、香耶ちゃん、京子ちゃん、どれ買うの?」


「じゃ、私はこれ」


京子は、私の選んだものの隣に置いてあった、薄い水色のお守り。香耶らしい。


「じゃ、私はこれかな」


渡辺さんが選んだのは、黄色のリボンに、鮮やかなラメが乗っている、小さいお札付きのお守り。