恐怖ダウンロード

車はまるであたしたちの姿が見えていないかのように動き出す。


四方から接近する車にあたしたちは動けなくなってしまったのだ。


「そんな、なんで止まってくれないの!?」


夢が叫ぶ。


その顔は死人のように青くなっていた。


「止まって、お願いだから!」


それでも車は止まらない。


あたしはクラスメートたちの行動を思い出していた。


教室内で、なにかに操られたかのように美紀を暴行していた姿だ。


誰ひとりとしてそれを咎めず、誰ひとりとしてやめようともしなかった。


「操られてる……」


あたしはそう呟いた。


今回も同じだ。


車のドライバーたちはみんな、アプリに操られているのだ。


あたしを、殺せと。


「何言ってるの靖子。早く、逃げないと!」


「夢……1人で逃げて」


「え?」


「狙われてるのはあたしだから」