恐怖ダウンロード

そんなことをしたら、陸のように体の上にのしかかられるかもしれないのに。


あたしは呆れて美紀を見つめる。


懸念した通り、生徒たちは一斉に美紀への暴行を開始した。


殴る蹴るの音が教室中に響く。


「調子にのってんじゃねぇぞ!」


「もう誰もあんたの命令なんて聞かないから」


「本当は弱いくせに、バカにしやがって!」


美紀の悲鳴は罵倒によってかき消されていく。


「ふふっ。楽しいね」


夢が目を輝かせて言った。


「そうだね。これで靖も陸も美紀も、もう終わったようなものだよ」


仮に、靖や陸の意識が戻ったとしても、もう以前のようにはいかない。


彼らに従う生徒はもはや1人もいないのだから。


「下手したらイジメの対象になるんじゃない?」


夢の言葉にあたしは頷いた。


今まで好き勝手してきた分、その可能性も高い。


今だって、普段のうっぷんを晴らすように散々暴力を受けているのだから。


「美紀の声、完全に聞こえなくなったね」


微かに聞こえてきていた悲鳴が今はもう聞こえない。


それを確認してからあたしと夢は席を立った。


「ちょっとどいてくれる?」


一言で、クラスメートたちは海が割れたように道を作った。


その光景に興奮し、体中がゾクゾクした。


今あたしと夢はクラスの中心にいる。