恐怖ダウンロード

「お願いします、早く!」


美紀が涙目になって言う。


それでも2人で笑いながら山になっている生徒たちに近づいた。


陸は口から泡を吹き、白目をむいている。


「ねぇ、そろそろ許してあげない?」


夢が声をかけると、のしかかっていた生徒たちがハッとしたように瞬きをした。


まるで今までなにかに操られていたような様子だ。


あたしはそれを見て夢と目を見かわせた。


あのアプリは周囲の人間まで操作できるのかもしれない。


夢の一言で目が覚めた生徒たちは慌てて陸から身を離して行く。


「陸!!」


美紀が陸に駆け寄ってゆさぶる。


しかし、陸は目を閉じたままで動かない。


「死んだのかな?」


「呼吸はしてるみたいだぞ」


そんな声が聞こえてくるが、誰も先生や救急車を呼ぼうとはしない。


美紀はボロボロと涙をこぼしながらあたしたちへ視線を向けた。


今自分の声に動いてくれるのはあたしたち2人しかいないからだろう。


「お願い、救急車を……」


「それは自分でできるでしょ」


あたしは美紀に冷たく言い放ち、自分の席へと戻ったのだった。