恐怖ダウンロード

D組の教室へ入ったとき、靖の姿があって驚いた。


いつの間にか登校してきていたらしい。


しかし、靖の様子は明らかにおかしかった。


青ざめた顔で、終始回りを気にし続けているのだ。


「ちょっと靖、大丈夫なの?」


あたしは軽い気持ちで声をかけた。


靖はあたしの声にもビクリと肩を震わせて怯えている。


幽霊の女が出てこないか不安なのだろう。


「まだ幽霊が見えるの?」


夢が冗談半分で聞くと、靖の顔は更に青くなっていく。


今にも倒れてしまいそうな状態で自分の体をキツク抱きしめた。


「お、お前ら全員、し、信じてないだろう! 幽霊はいるんだからな!」


あたしはファミレスのトイレで見た女を思い出していた。


靖にもあの女が見えているのだ。


そして追いかけられたり、とりつかれて踊らされたりしている。


それで怖くないわけがなかった。


「靖、いい加減にしろよ」


クラスメートたちに喚き散らす靖を、陸が止めに入った。


陸と美紀の2人は靖が危ない薬をしていると思っているはずだ。


「うるさい! お前だって信じてないんだろ!」


靖は陸の手を振り払い、教室中を逃げ回る。