え?
好きって言った……?
……って、善のことだから特に深い意味はないよね。
きっとそのままの私のほうがいいって意味でしょ?
「……ありがとう」
「やっぱり、俺の気持ちに気づいてないよね」
「……気持ち……?」
「結構伝えてるつもりなんだけど」
善がなんの話をしているのかわからなくて、私はとりあえず遠くを見つめた。
「その顔はなにもわかってないね」
「だから、なにが……」
「なら、俺が気づかせてあげる」
「え……?」
善は起き上がり、私に顔を近づけてきた。
「俺の気持ちも、そろそろ伝わってるかなぁって思ってたんだけど」
「……」
「頭の中が勉強でいっぱいの凛李には無理だったか」
善は真剣な顔で私を見つめ、頭を優しく撫でる。
そしてーー私に、一瞬触れるだけのキスをした……。
唇が離れと同時に善も私から離れた。