無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。


「なにがいいの……」

「ハグ」

「……え?」



聞き間違えかと思い、私はもう一度聞き直した。
だけど、聞き間違えではなかったようで……再び善の口から「ハグ」の2文字が。



「……抱きしめるって意味のハグ?」

「そう」

「カップル同士でするものじゃないの……?」

「なに言ってんの。最近は友達でもハグするのが主流だよ」

「え、そうなの……?」



私はすさまじく流行りにうとい。
善がそう言うなら、本当にそうなのかもしれないと不思議と信じてしまう……。

ーーその結果、両手を大きく広げた善を私は抱きしめることになった。
善の足の間に入り、膝立ちで善のことを抱きしめる私。
ちょうど私の胸の位置に善の顔があるので……気まずくて仕方ない。


生まれて初めて男の人を抱きしめた感想としては……見かけによらず硬くがっしりとしてるんだなと思った。
動くのが嫌いなイメージがある善でも、やっぱり女の人とは違う体つきをしている。
……布越しに感じる肌がやけにリアルで、だんだんと恥ずかしさが増していった。