……そもそも、そのときにがっかりしたのは、私が善に対して少し好意があったからなのかもしれない。


自立をしようとたくさんバイトをしたり、なにも考えていないようで実はしっかりと将来のことを考えている。

今思えば、私が困ったときは善がすぐに助けてくれた。

ーー特にプールのときに善の優しさを感じた。


そんな善のことが……。

私は……善のことが……好きなんだ……。



恋なんてしない。
そう思っていたけど、自分の気持ちに気づいてしまった今……もう後戻りできない。

認めなきゃいけないよね……。



ーーそれからというものの、私は確実に善のことを意識するようになった。

お風呂上がりにばったり会ったり、朝食を食べているときに目があったり……今までだったら当たり前だった日常が、"好きな人"だとわかっただけで、まったく違うものになってしまった。