キスや胸を見られることなんかより、はるかに恥ずかしいことがまだまだあったのだ。

声を抑えようとしても勝手に声が漏れてしまい、それが聞こえないように途中片手で口をふさいだ。

しかし、善にあっけなくその手をはがされてしまい、結局善に声を聞かれてしまった。

すでにお互い服は着て、今は善に腕枕をされている。



「体、辛くない?」

「大丈夫だよ」

「凛李がかわいかったから思ってたより……うん」

「え? なに?」

「いや、なんでもない。これ以上はこっちの事情だから話さないでおく」

「そこまで話されたら気になる」

「今言ってもたぶんわからないよ。それに、これからきっと知ることになるだろうし」

「どういうこと?」



このとき善は、私のためにそれ以上は話してくれなかった。

のちのちわかったことは……このとき善も自分が自分じゃないみたいに感じていたらしい。

私だけが緊張して、高ぶっていたのだと思っていたけど、私と同じくらい善も緊張して幸せな気持ちだったんだそうだ。