無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。


それは、まずい……!

私はすきを狙って「ま、待って……っ」と善に懇願した。



「ん? 苦しい?」

「そ、れはそうなんだけど……今、となりの部屋に瑠月と刀夜くんがいるの」

「あぁ、刀夜来てるんだ」

「そう。だから、声、聞こえたら気まずいなって……」

「じゃあ、やめよ」



善は意外にもすんなりと聞き入れて私から離れる。



「いや、あの……」

「少し休んでからにしなよ」



善はベッドから降りてしまった。
ちがうの、いやだったわけじゃないの。
私も善とこういう時間を過ごしたかった。
だから、すごくうれしかったの。

口よりも先に体が先に反応し、私は行ってしまいそうな善の腕をとっさにつかんだ。



「行かないで」

「刀夜たちがいるから気まずいんでしょ?」

「……そうだけど、でも、善にはいてほしい」

「そばにいたら、またキスしちゃうかもしれないよ」



あぁ……私はなんて優柔不断なんだろう。

善のことが好きすぎて、いつもならすぐに判断できることも自分の理性をとるのか気持ちをとるのか……迷ってしまう。