無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。


善はそう言って壁側を向いて寝る体勢に入った。
私は再びシャーペンを持ち、勉強に集中する。

ーーそれから40分後、キリのいいところまで復習することができた。

凝り固まった体をほぐすために両腕を天井へと伸ばす。
自然と「んーっ」という声がして、その声で善が起きたようだった。



「終わった……?」



寝起きのか細い声が新鮮で、かわいいなぁと思ってしまう。

「終わったよ」と私が答えると、善はゆっくりと起き上がり……自分の髪の毛をくしゃくしゃしながら、私の近くにやってきた。



「じゃあ、これから休憩タイム?」

「……うん、そうだね?」



どうしてわざわざそんなことを聞くの?
……と思っていた矢先、善は私の背中と膝裏に腕を入れて軽々と持ち上げた。

いわゆるお姫様抱っこをしたままベッドまで移動し、優しくベッドの上に私をおろす。

いつも寝ているところに座らせられ、背中には壁が当たってた。