無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。


善はそう言って、なぜか私のベッドでくつろぎだした。
いつもなら、自分の部屋のほうが落ちつくからと言ってすぐに戻るのに……。



「いると集中できない?」



私からの視線を感じたのか、善はうつぶせな状態で顔だけ私に向けた。



「そういうわけじゃないけど、めずらしいなと思って……」

「エアコンつけたけどすぐに冷えないし、凛李の部屋にいれば涼しいし休めるし癒されるしで最高だなと思って」



全然いてくれていいんだけど、正直言うと集中はできない。

うるさくないし寝ているだけだろうから気にしなければいいんだろう。
でも、私のベッドで善が寝ている、私の部屋に善がいるという事実がまずドキドキが止まらない。

……だけど、善にそんな風に言われてしまったら追い出すわけにもいかない。



「キリのいいところまで終わったら私も休憩しようかな」

「まだ休憩してないの?」

「うん。お昼食べただけ」

「それは休憩しなよ。俺はそれまで寝てる」