玄関にはお父さんのではない革靴と、お母さんのではない赤いピンヒールが置かれていた。
きっと、善のご両親だろう。

私も善も玄関で一旦止まり、深呼吸をして心を落ちつかせた。

次にリビングの扉を開くと……その先にはみんなが大集合していた。


ソファには、右側には私の両親がとなり同士で座り、その向かい側には善のお母さんとお父さんが座っていた。
お父さんは善とそっくりで、切長の目と薄い唇、小さな顔と高い身長。
善がお父さん譲りのかっこよさだということを知った。



「おかえりなさい。2人いっしょに帰ってきたのね」



お母さんのその声と共に、善のご両親は立ち上がって「凛李ちゃん、おかえりなさい。小さいころに会ったことがあるんだけど、覚えてないわよね?」と善のお母さんに言われた。



「すみません。母がいつもお世話になっております」

「こちらこそよ。突然の訪問になっちゃってごめんなさいね。それと、善と仲良くしてくれてるみたいでありがとう」

「いえ……」